診療へのこだわり(セラミックインレー編)
歯の部分的な修復をする際には2つの方法があります。
ひとつはダイレクトボンディング、もうひとつはインレーという方法です。
今回はインレーについて、サンキューデンタルクリニックでどのように治療を行なっているかご紹介します。
ダイレクトボンディングで行うよりインレーの方が良い場合とは
歯の多くの部分を修復する際はインレーという方法が適切です。
具体的には歯と歯の間を含むほど大きな修復をする際、特に既に銀歯などのインレーで、歯間まで及ぶような修復がしてある歯の治療の際はダイレクトボンディングで行うよりインレーで修復することの方が適していることが多いです。
インレー修復の実際
インレーを入れるために、適切な形態に歯を削って整えます。
削った量=セラミックの厚み
なるべく歯は削りたくないものですが、削る量は修復材料の厚みとなるため、削る量が少ないと薄くてもろい修復材料となります。
また、削るのをためらった結果、デコボコだったり尖っていたりすると修復物の精度が下がります。修復物と歯の間に隙間ができる事になります。
インレーを長持ちさせるためには多少歯を削る必要があることを理解していただく必要があります。
修復が済めばセラミックは歯と接着し、歯と一体化します。
目的は長持ちする事
明らかにインレーですべき修復に対し、『なるべく歯を削りたくないからダイレクトボンディングでして欲しい』と望まれた方がいました。お気持ちはわかりますが歯の修復の本来の目的は常に力がかかるようなお口の中で長期的に歯質の代わりとなり機能することです。歯を削ることをためらった結果、脆い修復物ができ、すぐに壊れたり、虫歯の再発を起こすのでは本末転倒です。
歯型とり(印象採得)
歯型をとります。シリコン印象材という超高精度な材料でとります。
歯型をとる方法は2通りあります。ひとつは寒天アルジネート印象、そしてシリコン印象です。
保険診療でも適応される寒天アルジネート印象でも熟練された技術者なら精度良く型を取ることは可能です。
しかし一般的にはエラーを起こしやすいため、少々再現性に欠けます。
いつも安定してハイレベルの結果を出すためにはシリコン印象材の方が優れています。
技工物の作成
精密にシリコンでとった方に石膏を流し、模型を作成して、一流の技工士さんがインレーを作成します。
型をとってから1週間ほどで納品されます
納品されるまで一週間の間は仮封をします。
口腔内セットの実際
さて、ここからが本題です。
型とりの時につけた仮封は多少変色していますが、仮封は1週間しっかりついています。
しかし
しっかりと封鎖できているわけではありません。
仮封の目的は、歯の移動の防止くらいに過ぎないと考えています。
仮封を外すと一見綺麗なようですが、内部にプラークの付着があります。
プラークの付着しているところには材料が接着しません!
絶対に綺麗にする必要があります。
ですから、手間ではありますが、型をとった部分だけ染め出しをして
染まった部位をエアフローという機械を使って完全に清掃します。
そしてしっかり接着前処理を行い、
装着して、噛み合わせを調整し、研磨します。
歯と一体化しているのがわかります。
接着が重要
歯の修復は材料の選択、厚み(クリアランス)、そして特に接着が重要だと考えています。歯と一体化するという事がとても大切です。
治療費
今回はe-max press®︎という材料にて修復を行った例をご紹介しました。
保険適応外の材料です。治療費は60,000円(税込66,000円)です。
治療費60,000円(税込66,000円)はe-max press®︎という高価な材料の値段ではありません。
手間暇とこだわりと愛の値段です。